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年収の3分の1以上は借りられない?総量規制を徹底解説!

「総量規制に引っかかってもう審査に通らない…他にお金を借りる方法はある?」

「銀行は総量規制の対象外って聞いたけど銀行なら貸してくれるかな…」

既に多額の借入がある人にとっては、あといくらならお金を借りられるのか、カードローンなどに申し込んでも審査に落ちてしまうんじゃないかといったことが気になるはずです。

この記事では、おそらく総量規制に引っかかったせいで銀行や消費者金融などの審査に通らなくなった、審査に通らなかったらどうしようと考えている人に向けて、総量規制に関する正しい情報を解説していきます。

総量規制の目的や計算の方法などを正しく理解した上で、総量規制に引っかからないためのポイントを押さえていきましょう。

また、既に年収の3分の1以上の借入があって融資を断られている人に向けて、その他にお金を借りる方法があるかどうかも解説していきます。

この記事で伝えたいこと

  1. 総量規制は消費者を守るために過度な貸付けを制限したもの
  2. 銀行は総量規制の対象に含まれないが自主的に年収の3分の1以上の貸付けは規制している
  3. 住宅ローンや緊急時など、総量規制の対象外となる貸付けもある
  4. 年収や借入総額を偽って融資に申し込むことは不可能

総量規制とは何か

総量規制については「年収の3分の1以上の金額は借りることができない」という文言だけが出回り、正しく理解されていないケースが多いのが現状です。

「利用者は年収の3分の1以上の金額は借りることができない」ではなく、正しくは、「貸金業者は過度に貸付けをしてはいけない」という文脈で理解されるべきです。

総量規制とは、過度な借入から消費者を守るために、貸金業法によって設定された規制のこと。年収の3分の1を超える貸付は原則禁止とされている。

返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が、深刻な社会問題となったことから、これを解決するため、平成18年に従来の貸金業法が改正され、総量規制が導入されました。

【総量規制の導入】

貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務づける(個人が借り手の場合には、指定 信用情報機関の信用情報の使用を義務づけ)

  1. 自社からの借入残高が 50 万円超となる貸付け、又は、
  2. 総借入残高が 100 万円超となる貸付け

の場合には、年収等の資料の取得を義務づける

調査の結果、総借入残高が年収の 3 分の 1 を超える貸付けなど、返済能力を超えた 貸付けを禁止する

もちろん、年収の3分の1以上の金額が借りられずに不便と感じる場合も多くあります。

しかし、総量規制が規定された目的は、利用者が返済不能になるほど過度な貸付けを行わないこと、多重債務者の問題を解決することです。

お金を借りる側も、この総量規制の目的を正しく理解し、金融に関する知識を高めていくことが必要です。

不要不急の借入は控えるなど、多重債務状態にならないように気を付けてお金を借りるべきです。

ただし、すべての借入が総量規制によって制限されてしまうわけではありません。続いて、総量規制の対象となる貸付け、対象外の貸付けを見ていきましょう。

総量規制の対象となる貸付け

総量規制によって「年収の3分の1」にカウントされる貸付けには以下の3つの金融商品が含まれます。

総量規制の対象

金融機関 サービス名
消費者金融 アコム、アイフル、SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)、SMBCモビットなど
信販会社 オリエントコーポレーション、セディナ、ジャックス、イオンファイナンシャルサービスなど
クレジットカード会社
(キャッシング有)
三菱UFJニコス、三井住友カード、ユーシーカード、クレディセゾンなど

クレジットカード会社のショッピング枠や信販会社の販売信用(ショッピングクレジット)については、貸金業務ではないため総量規制の対象外となります。

また、貸金業者に該当しない銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、総量規制の対象外です。

では、借入残高が年収の3分の1を超えている状態でも、銀行のカードローンなどであればお金を借りることができるのでしょうか。

銀行は総量規制の対象外だが借りられない可能性が高い

先ほど説明した消費者金融などが貸金業法に従っているのに対し、銀行は貸金業法ではなく、銀行法に従って融資業務を行っています。そのため総量規制の対象からは外れます。

しかし、2016年以降、銀行でも総量規制を自主的に実施するようになりました。総量規制によって消費者金融を利用できなくなった人たちが、銀行のカードローンを利用するようになったことがきっかけです。

>実際に大手銀行では年収の3分の1以上の貸付けは行わないことを発表しています。

銀行なら総量規制の対象外だから年収の3分の1を超えた金額も借りられる、という情報は期待しない方がよいでしょう。

年収や借入の定義・計算方法

「年収の3分の1の貸付け」とは具体的にどのような金額、内容を指すのでしょうか。年収や貸付けの定義を見ていきましょう。

「年収」の定義

お金を借りる際に、年収として申告するべきものには、以下のものが含まれます。

  1. 給与(額面)、
  2. 年金
  3. 不動産収入
  4. その他事業所得

上記以外の、宝くじやギャンブルなどによる一時的な収入は年収には含まれません

既に総量規制以上の借入がある場合はどうしたらいいか

既に総量規制に引っかかっている場合でも、次のような方法でお金を借りることができるかもしれません。

  1. 貸金業者からの借入であっても例外となるもの
  2. 総量規制とは関係ない方法(ショッピング利用、公的手段等)で代用ができるもの

それぞれ、詳細を見ていきましょう。

例外的に借入ができるもの

>

貸金業者からの借入であっても、以下のような条件を満たした借入であれば総量規制の対象外となり、年収の3分の1の借入にはカウントされません。

  1. 総量規制の除外:性質上貸付金額が高額になるもの
  2. 総量規制の例外:必要性や緊急性の高い貸付け

総量規制の除外と例外の種類

貸付の種類 要件等
総量規制の除外 不動産購入または不動産に改良のための貸付け 購入する不動産が担保、そのためのつなぎ融資を得る
自動車購入時の自動車担保貸付け 購入する自動車が担保
高額療養費の貸付
証券担保のローン 有価証券が担保
不動産を担保とする貸付け 個人顧客または担保提供者の居宅などを除く
総量規制の例外> おまとめローンや借り換えローン
顧客やその親族などの緊急に必要と認められる医療費の貸付け
葬式費用、香典など社会通念上、緊急に必要と認められる費用の貸付け 10万円以下、3か月以内の返済などが要件
配偶者と合わせた年収が3分の1以下の貸付け 配偶者の同意が必要
個人事業者に対する貸付け 事業計画、収支計画、資金計画により、返済能力を超えないと認められる場合

※引用:日本貸金業協会「貸金業法について」一部抜粋

「総量規制の除外」とは、住宅ローンや自動車ローンなど貸付金額が高額になるもののことを言います。担保となるものがある貸付けが並んでいます。

さらに、必要性や緊急性が高い理由がある場合には「総量規制の例外」となり、貸金業者からお金を借りられる可能性があります。

総量規制の例外にはおまとめローンが含まれているのが特徴的です。そのため、「おまとめローンを利用すれば総量規制に引っかかっていても簡単にお金を借りられる」と思われがちですが、おまとローンには注意が必要です。

おまとめローンとは、 複数の借入がある場合に、返済をまとめて返済金額や管理負担を減らすための商品。

その他のお金を借りる方法

総量規制の除外にも例外にも当てはまらなかった場合には、以下の方法でお金を借りられる可能性があります。

  1. 生活福祉資金制度を利用する
  2. クレジットカードのショッピング枠を利用する

また、以下の方法でもお金を借りられる可能性はありますが、デメリットが大きいためおすすめできません。

  1. 質屋から借りる
  2. 闇金から借りる
  3. 知人から借りる

それぞれの詳細を見ていきましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する

生活福祉資金貸付制度の注意点

  1. 利用できる世帯条件が限られている
  2. 融資までに時間がかかる

生活福祉資金制度とは、各市区町村の役所が窓口となり、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯などの援助をするためにお金を貸してくれる制度です。

様々な事情があり働くことができないなどの場合に、各自治体の社会福祉協議会から援助を受けることができます。

税金を資金源にした制度なので、本当に困窮している人のみを対象としており、、「総量規制に引っ掛かり貸金業者からお金を借りられなくなった」という理由だけでは審査に通らない可能性が高いです。

また、必要な融資を受けるのに数か月~半年要するのも特徴です。

生活福祉資金制度の詳細は以下の記事でも解説しているので、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯の条件に当てはまる可能性のある人は、一度確認してみてください。

クレジットカードのショッピング枠を利用する

クレジットカードのショッピングの注意点

  1. ショッピング枠にも限度額がある
  2. 返済方法をリボ払いにすると返済が長引くことがある

クレジットカードをショッピング目的で利用する場合には、総量規制は関係ありません。

クレジットカードのショッピング機能は、買い物で利用できるだけでなく、光熱費や家賃の支払いなどにも利用できます

生活費が足りないためにお金を借りようと考えていた人であれば、日常の支払いをクレジットカードに集約することで、一時的に生活に余裕ができるかもしれません。

一方、クレジットカードのショッピング枠にも限度額があるので、1か月に利用できる金額は限られてきます。

また、リボ払いの場合には毎月の返済額が一定なのでなかなか返済が進まず、通常のキャッシングと同じように高い利息を払い続けることになるので注意が必要です。

お金を借りられる可能性があるがおすすめしない方法

続いて、同じく総量規制に引っかかってもお金を借りる可能性があっても、あまりおすすめしない方法について解説します。

以下の3つの方法に頼るのはやめましょう。

  1. 質屋から借りる
  2. 闇金から借りる
  3. 知人から借りる

質屋から借りる

質屋の注意点

  1. 最大109.5%の高い金利
  2. 3か月を過ぎると品物が質屋のものになる

ブランドものなど高額な物品がある場合には、質屋に持ち込むことで審査なしでお金を借りることができます。

しかし、質屋の上限金利は109.5%と非常に高く設定されており、3か月で返済できなければ品物はなくなってしまいます。

手放してもいい物を預けていた場合は問題ありませんが、大事な時計やバッグなど、手放したくない物を預けていた人(取り戻すつもりでいた人)にとっては、かなりの痛手です。

そもそも、品物の査定額の範囲でしかお金を借りることはできないので、直近でまとまったお金が必要な場合や、高価な物を所有していない場合には不便な方法です。

闇金から借りる

闇金の注意点

  1. 高額な金利を請求される
  2. 違法な取り立てに遭う
  3. 担保がとられる可能性がある
  4. 個人情報が流出する可能性がある

闇金は総量規制に引っかかってしまった人に向けて、総量規制を超える融資OKといって勧誘してくることがあります。

また最近では、ソフト闇金といって一見闇金に見えないような違法業者も多く存在します。

中小消費者金融のようなホームページを持っていてそこから申込をさせる場合もあるので、さらに注意が必要です。

闇金やソフト闇金のような違法業者は金利が高いだけで済まされず、重大なトラブルや犯罪に巻き込まれる可能性があるので、「総量規制を超える融資OK」というところから借りるのは絶対にやめましょう。

知人から借りる

知人から借りる場合の注意点

  1. 借用書の作成が必要
  2. 口約束の場合にはトラブルに発展しやすい

どうしても必要な場合には親や兄弟、親戚、友人などにお金を借りるのも一つの方法です。しかし、お金を借りる理由や返済期限などを巡ってトラブルが起きやすく、親しい関係にあるほど信頼関係が崩れてしまった時のリスクが大きいのが特徴です。

個人同士でお金のやり取りをする場合には、トラブルを防ぐために必ず借用書を作るようにしましょう。

年収や借入残高を虚偽申告したらどうなるか

「年収や借入金額は自己申告なんだからバレないんじゃないの?」

「他社からの借入なんて調べられるのかな…」

カードローンなどを申し込む際には、年収や他社からの借入総額を入力する必要があります。この時に、虚偽の内容を申告することで、総量規制から逃れられると考える人もいるかもしれません。

実際に虚偽の申告をするとどうなるのかを説明します。

年収の確認方法

年収には以下のものが含まれることを説明しました。

  1. 給与(額面)
  2. 年金
  3. 不動産収入
  4. その他事業所得

カードローンなどで50万円を超える融資を希望する場合には収入証明書の提出が必要なので、虚偽の申告をした場合には必ずバレてしまいます

また、不動産収入やその他の事業による収入に関しても、事実を証明できる書類の提出が求められることがあるので、その他の収入があるように多く見積もっても意味がありません。

他社からの借入の確認方法

他社からの借入総額は、金融機関が個人信用情報を確認することによってすべて確認されてしまいます

個人信用情報とは、クレジットカードやローン契約に関する情報のことで、個人信用情報機関に支払い状況や借入残高などが記録されています。また金融機関に情報が提供されている。

カードローンなどの申し込みがあった場合、カードローン会社はこの個人信用情報を開示して他社の借入状況を確認することができます。

よって、実際より少ない金額を申告した場合には必ずバレることになります。

1円単位まで記載する必要はありませんが、しっかりと残高を確認して合計金額を記入するようにしましょう。

このように、虚偽の申告をして総量規制から逃れることは不可能です。申告内容と事実に矛盾がある場合にはさらに審査に通りにくくなるので、正直に申告するようにしましょう。

この記事のまとめ

総量規制は消費者を守るためのものです。不要不急の借入は避けることで、返済能力以上の借入をすることを防げるかもしれません。総量規制の上限金額に達しても尚、どうしてもお金が必要な場合には、生活福祉資金制度の利用を検討するなど、安全な方法でお金を借りるようにしましょう。

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